ケアンズ、ダイビングトピックス

  
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グレートバリアリーフとミンククジラ

ミンククジラについて

5月下旬~8月上旬にかけて、ケアンズ周辺のグレートバリアリーフでは、ダイバーがミンククジラと一緒にダイビングやシュノーケリングを楽しめるというすばらしい経験に恵まれます。このミンククジラは、毎年、この時期、 南極大陸から北上してケアンズ周辺の海域までやってきます。グレートバリアリーフでは、2,3頭のグループで目撃されることが一般的ですが、大きなグループでは今まで、8頭という記録もあります。ミンククジラは、他のクジラに較べ、比較的容易にダイバーを近づけてくれますし、ダイビングの間、ずっと一緒に潜ってくれることも珍しくありません。ミンククジラが ボートに近づいてくると、ダイバーは、すぐさまシュノーケリングの用意をして海に飛び込み、シュノーケリングで一緒に過ごします。その後、今度はスクーバダイビングで、引き続き、水中で楽しい時間を過ごすことも可能です。 ミンククジラは他のクジラに較べて、好奇心旺盛なクジラと言えます。
ミンククジラはヒゲクジラの仲間で、海中のプランクトンを食糧としています。この5月~8月は、 交尾の時期で、その後、約10ヶ月間、母クジラは子供を身籠ることになります。ミンククジラは、その回遊範囲により、大きく2つのグループに分けらます。1つは北半球に棲息するクジラで、もう一つは南半球に棲息するクジラです。 南半球に棲息するクジラのグループは、冬の時期、暖かな、比較的浅い海域まで移動してきます。グレートバリアリーフでダイビングボートから目撃されるミンククジラの殆どは、このグループに属します。このグループには、他の ミンククジラと異なる種類のミンククジラも含まれ、「ドワーフミンキーホエール」と呼ばれ、体のカラーパターンで識別することが出来ます。
グレートバリアリーフまで移動してきたミンククジラは、このエリアで餌を摂ることはありません。基本的に彼らは南極のプランクトンが豊富な海域で餌を充分に摂取し、北の暖かな海域への気の遠くなるような長旅に備えます。 妊娠中の母クジラは、この北の海域への移動中に、子供を出産します。子供は生まれたばかりで3メートル、300キロ程度のサイズですが、母親のミルクだけでグングン成長し、そのすぐ後の、南極への長旅に充分耐えられるまでになります。 子供の授乳期間は4ヶ月ほどで、そのころになると、子クジラは4,5メートル程度まで成長します。
ミンククジラは頭部を水面に直立させて、水面の様子をうかがうという「スパイホップ」という行動パターンを示します。他にも尾びれを水面に叩きつけて、他のクジラと連絡を取り合う 「テイルスラッピング」という行動も頻繁に見られます。他のクジラと同じように潮も吹きますが、ザトウクジラのような見事な潮吹きではありません。グレートバリアリーフで頻繁にミンククジラを目撃することができる理由は、 その数の多さ(南半球に棲息するグループだけで、推定25万頭)と、彼らがボートやダイバーに近づいてくるという好奇心の旺盛さによるものです。
グレートバリアリーフで、水面、水中でミンククジラに遭遇するという機会は、年を追うごとに増えています。これは年々、その数が増えていることを意味します。多くのクジラが捕鯨のために殺されてきたにも関わらず、ミンククジラは、 現在では調査目的の捕鯨のみに限られおり、それが、数が増加した理由の一つだと考えられます。ミンククジラに遭遇したときは、彼らに近づきすぎたり、手を触れたりしない限り、彼らに容易にアプローチできます。ミンククジラは、 クジラとの遭遇というすばらしい体験を我々ダイバーやスノーケラーに与えてくれます。

ミンククジラに出会えるダイブトリップ

ミンククジラはザトウクジラと違い、かなり沖を回遊するクジラなので、なるべくグレートバリアリーフの外延部に近いポイントでダイビングを実施するダイビングボートを利用した方がいいでしょう。

●日帰りダイビングなら

ポートダグラスでは、エージンコートリーフにアクセスするダイブセブンシーズシルバーソニック、ケアンズではダイビングポイントがリーフの外延部に近い東側のポイントへアクセスする シルバースイフトがお薦めです。

●ダイブクルーズなら

短期間の日程で参加できるケアンズ近郊のダイブクルーズなら、ケアンズから東のエリアをカバーするプロダイブの2泊3日のクルーズがお薦めです。ミンククジラとの遭遇確率が最も高いのは、コッドホールク-ズです。 コーラルシーまで出かけるクルーズもありますが、コーラルシーまで出かけてしまうと、ミンククジラとの遭遇は、あまり期待できません。コッドホールのあるリボンリーフの北部エリアになるべく長期間滞在できるような運行ルートを 持ったボートがベストです。以下が、その一覧です。

スピリットオブフリーダム 3泊4日(毎週月曜日出発)
 昼過ぎにケアンズ港を出港し、その日からダイビングをしながら、ミンククジラの観られるリボンリーフをコッドホール目指して北上してゆきます。最終日の朝、リザード島で下船し、空路、ケアンズまで戻ります。 この時期は、クジラの多いリボンリーフ北部でなるべく時間が避けるように運行をアレンジしてくれます。

スポイルスポート 3泊4日(毎週月曜日出発)
早朝、市内のダイブショップに集合し、チャーター機でリボンリーフの最北端に位置するリザード島へ移動。その日からダイビングをしながら、ミンククジラの観られるリボンリーフをケアンズに向けて南下していきます。コッドホール目指して北上してゆきます。水曜日までダイビングを行い、木曜日の早朝、ケアンズ港に入港します。

ザトウクジラについて

ザトウクジラは、毎年、4月から11月に掛けて、オーストラリアの東海岸を移動します。夏の時期を、餌となるプランクトンの豊富な南極の海で過ごし、冬の時期なると、交尾、出産を目的として、暖かな北の海域を目指して 移動してきます。その移動距離は、1万キロにも及びます。ケアンズのあるグレートバリアリーフ北部は、その回遊ルートの北端部に辺り、7月~8月に、 その雄姿を確認することができます。ケアンズ海域は、回遊ルートの北端部に当るため、その年の水温によって、回遊してくるクジラの数に増減が見られ、水温の低い年の方が多くのクジラがケアンズ周辺まで北上してくるようです。
商業捕鯨が終わった1960年代初めには、オーストラリアの東海岸で100頭近くまで数を減らしてしまいましたが、その後の保護政策により、現時点では9000頭以上まで回復しており、 この時季の観光産業に重要な役割を持つようになってきました。ケアンズでも、一昨年より、冬のこの時期、ホエールウォッチングツアーが開催されるようになってきました。

白鯨「ミガルー」

ミガルー(MIGALOO)というのはアボリジニーの言葉で「白いやつ」という意味ですが、毎年オーストラリアの東海岸に回遊してくるアルビノのザトウクジラにつけられた名前です。 直訳すると単なる「白いやつ」なのですが、アボリジニーの人たちにとっては、カンガルーにしろ、ワニにしろ、人にしろ、アルビノというのは神話の世界からの使者として崇められる 存在のようで、この言葉には、象徴的な意味合いも含まれています。
このミガルーが初めて確認されたのは、1991年。ケアンズ沖でのことです。
それから毎年、ケアンズ近郊に姿を現していますが、最近では、子供のアルビノの鯨も発見され、この「ミガルー」の子供では、という嬉しいニュースもあります。
右の動画は、ケアンズの北部、ポートダグラスをベースにするクルーズ船、クイックシルバーで撮影されたものですが、ザトウクジラは、比較的陸に近い場所を回遊するので、グレートバリアリーフのアウターリーフへ向か途中、あるいは、アウターリーフからケアンズやポートダグラスに戻る途中、陸に近い海域で遭遇するチャンスが多いようです。
ケアンズで開催されているホエールウオッチングツアーでも、あまり沖合いまで出かけることはありませんので、どなたでもクルーズを楽しむことができます。